土曜日の朝、夫はゴルフバッグを車に積み、妻は美容院の予約を確認している。どちらも楽しみにしていた予定なのに、なぜか家の中には少し気まずい空気が流れている。
「また別々なの?」と聞かれた側は、責められたように感じる。聞いた側も、相手を束縛したいわけではない。ただ、夫婦なのだから休日くらい一緒に過ごすものだと思っていただけかもしれない。
30代、40代、50代になると、夫婦の休日は自然にずれていく。子どもの予定、仕事の疲れ、親の用事、長年続けてきた趣味。付き合い始めの頃のように、何でも同じ行動をする必要はなくなっている。その一方で、予定が合わないことを「気持ちが離れた証拠」と受け取ると、話はややこしくなる。
同じ時間を過ごすことだけが夫婦の形ではない
夫は釣り、妻は友人とのランチ。夫は家で映画、妻は地域のサークル。休日の過ごし方が違っていても、ただちに夫婦関係が悪いとは限らない。
むしろ、興味のないことに毎回付き合い続けると、どちらかに不満がたまりやすい。「本当は行きたくないけれど、夫婦だから」と我慢して参加した結果、相手の趣味まで嫌いになることもある。
大切なのは、同じ行動をする回数よりも、別々の予定を持つことについて、互いに納得できているかどうかだ。
問題は予定ではなく、決め方にある
休日のたびに直前まで予定を決めない家庭では、すれ違いが起こりやすい。片方は一緒に出かけるつもりでいたのに、もう片方は当然のように自分の予定を入れている。ここで「普通は確認するでしょう」と言い合っても、過去の不満まで出てきてしまう。
そこで、月に一度だけでも翌月の予定を簡単に確認しておく。「この日は別行動」「この日は一緒に買い物」「この週末は予定を入れない」と、大まかに決めるだけでよい。
ポイントは、相手の予定を許可する形にしないことだ。「行ってもいい?」と毎回聞かれると、許可する側とされる側に分かれてしまう。お互いの予定を共有し、生活への影響を調整するという感覚のほうが、夫婦には合っている。
一緒に過ごす日は、短くても内容を決める
別々の休日が増えると、今度は「一緒にいる日まで何となく終わる」ことがある。朝から同じ空間にいるのに、それぞれスマートフォンを見て、必要な会話だけで一日が終わる状態だ。
毎回遠出をする必要はない。近所の店で昼食をとる、夕方に散歩をする、季節の果物を買いに行く。その日にすることを一つ決めるだけで、共有した記憶が残りやすくなる。
「せっかくの休日だから特別なことをしよう」と考えると、計画が負担になる。二時間だけ一緒に過ごす、という選び方も悪くない。
変わっていく夫婦の予定を、定期的に見直す
子どもが成長した、仕事の勤務形態が変わった、体力が落ちて遠出が難しくなった。夫婦の予定は、年齢や環境によって変化する。以前うまくいっていたやり方が、今の二人に合わなくなることもある。
だからこそ、「最近、休日の過ごし方はどう感じている?」と、問題が大きくなる前に確認しておくとよい。答えがすぐ出なくても、相手が何を楽しみにしているのかを知るきっかけになる。
夫婦の休日は、常に一緒である必要も、完全に別である必要もない。別々の予定を尊重しながら、二人で決めた時間も少し残す。その配分を、その時々の暮らしに合わせて調整していけばいい。
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